韓国の国家統合認証(KC)マークについて

1. KCマークの必要性
現在、韓国で運用されている認証制度は法定認証と民間認証をあわせると計170個あります。
同じ「製品安全」という目的であっても行政部署ごとに認証マークが異なり、重複して認証を受けなければなりませんでした。そのため企業は多くの時間とコストを費やしており、また、認証制度の運営規定が国際基準と一致していなかったため信頼性の低下と輸出競争力の弱化をもたらしました。

2. 認証統合
法定認証のうち義務認証は、国民の生命と安全の保障に必要な安全・品質・環境・保健を確保するため、関連製品の出荷前に取得することが義務付けられている認証制度です。
これまでは、9部署、32法令に43種の法定義務認証制度が存在し、認証制度ごとに異なるマークを使用しています。今回は、国家標準基本法を改定し、一部例外を除く法定義務認証制度においてKCマークを使用するよう規定し、5部署、13種の法定強制認証マークをKCマークに統合しました。

2009年7月1日 知識経済部に導入
2011年1月1日 環境部、放送通信委員会等に拡大実施 (基本マークと統合マークは2年間並行使用可)

KCマークへの統合

3. 認証の種類

【 法的認証 】
→義務認証:
安全・品質・環境・保健等を確保するため、関連製品の出荷前に取得が義務付けられている認証(公産品安全認証等、9部署、43種)。取得していない場合は、生産・流通することができない。
→任意認証:
環境保護、エネルギー節約等、特定目的を達成する目的で法律に根拠して施行する認証。各種インセンティブ提供 (KSマーク等、11部署、67種)。取得していない場合は、市場参入が困難。

【 民間認証 】
法的根拠はなく、収益事業としての認証 (Qマーク等、60種)

 

4. KCマークに統合される強制認証マーク

マーク マーク名 導入時期 適応製品の例 主管部署
公産品安全認証マーク 公産品安全認証マーク 09/7/1
(※1)
乳母車、圧力釜
歩行器
知識経済部
(技術標準院)
自律安全確認マーク 自律安全確認マーク 09/7/1
(※1)
登山ロープ、バッテリー
保安鏡
知識経済部
(技術標準院)
昇降機認証マーク 昇降機認証マーク 09/7/1
(※1)
調速機、緩衝機
非常停止装置
知識経済部
(技術標準院)
電気安全認証マーク 電気安全認証マーク 09/7/1
(※1)
電線、電源コード
掃除機、TV
知識経済部
(技術標準院)
高圧ガス容器(検マーク) 高圧ガス容器
(検マーク)
09/7/1
(※1)
安全バルブ、圧縮機
蒸発機
知識経済部
子供保護包装 子供保護包装 09/7/1
(※1)
芳香剤、洗浄剤
光沢剤、汚れ除去剤
知識経済部
(技術標準院)
情報通信機器認証 情報通信機器認証 11/1/1 電話機、モデム
PC
放送通信委員会
エネルギー消費効率等級表示 エネルギー消費効率
等級表示
09/7/1
(※2)
冷蔵庫、冷房機
蛍光ランプ、乗用車
知識経済部
浄水器品質検査 浄水器品質検査 11/1/1 浄水器 環境部
安全認証 安全認証 09/7/1 プレス、チラシ関連機器 雇用労働部
ガス用品検査 ガス用品検査 09/7/1
(※1)
ガス、圧力調整機
燃焼機
知識経済部
計量器検定 計量器検定 09/7/1
(※3)
電気計量器
体温計、秤
知識経済部
(技術標準院)
消防用品 消防用品 11/1/1 消火器、防炎材 消防防災庁

※1 11年6月30日まで既存マークの並行使用が可能
※2 09年7月1日から製造されるモデルから適用。但し、冷房機等の9品目は10年1月1日から製造のモデルから適用
※3 前マークの表示が可能

 

5. 標準認証審査制度

複雑であった法定義務認証制度の認証手続きが、ISO/IEC Guide67に符合する9つの標準認証審査モジュール(A~I)に単純化されました。製品の種類により、適したモジュールを選択することが可能です。

 

6. 一括申込み制度

一製品に複数の法定義務認証を受ける場合(複数義務認証製品)、 一括申込み制度を利用することができます。ただし、浄水器の検査及び申告の場合は11年1月1日からの利用となります。
一括申込み制度は、1か所で認証申込み受付及び認証書発給当の手続きを行なうことができるシステムです。重複項目に対する同等以上の試験成績書の相互認定、工場審査、事後定期検査の同時遂行を通じ、手間と費用を減らすことができます。

 

日本薬事法務学会では、KCマーク取得コンサルティングサービスを提供しております。
各種お問い合わせは、当学会事務局までお願いいたします。

日本薬事法務学会事務局
 (吉田法務事務所内)
 E-mail: info@japal.org
 Tell: +81-3-5944-5013(International)
     03-5944-5013(Domestic)