【韓国】2010年、医薬品販売の許可状況

 食品医薬品安全庁(KFDA)は、2010年に新規で販売許可(申告)された医薬品の調査を実施した。その結果、新薬および改良新薬の販売許可が2009年比で2倍以上増加したことが分かった。

 医薬品製造および輸入販売許可(申告)の総件数は4,115品目で、2009年の5,188品目に比べると20%の減少である。2007年以来、総件数は減少傾向が続いているが、新薬だけを見ると、2009年は21品目、2010年は48品目(製造3、輸入45)と大幅に増加している。パーキンソン病治療剤、睡眠鎮静剤、白血病治療剤など多様な効能の製品が許可を受けた。

 2010年で注視すべき内容としては、国内開発新薬である「カナブ錠」に対する速かな許可処理の実施で、約2年ぶりに国内開発新薬第15号が誕生した。同製品は、2012年よりメキシコへ輸出する計画である。

 また、改良新薬は計8品目が許可(09年は4品目が許可)された。患者の服薬順応度を高めるために、単一剤型を複合剤へ改良(5件)、薬効時間を増やすことで薬物服用回数を減らした徐放性製剤への改良(2件)などがある。新薬開発に必要な革新的な新物質の研究を行なうことが難しい韓国国内の状況の中、新薬開発に比べて研究期間および費用が手軽な改良新薬の開発が増加している。
※ 改良新薬 : 安全性、有効性,、有用性(服薬順応、便利性など)において、許可(申告)済みの医薬品を改良したり、医薬技術において進歩性があることを国内臨床試験を通じて立証した品目

 これまで品目許可(申告)が免除された受入れ検査試薬・診断用医薬品が、2009年2月に食品医薬品安全庁許可(申告) 対象に変更され、一時的に許可件数が増加している。
高血圧治療剤および高脂血症治療剤などを含む循環系医薬品が最も多く許可(申告)されており、次いで解熱・陣痛・消炎剤を含む神経系医薬品、ビタミン剤を含む滋養強壮関連製品が上位を占めた。これらの医薬品は、過去3年間で最も開発が活発な種類であり、高齢化と成人病の増加などにより今後とも許可件数が徐々に増加することが予測される。

 また、新しく許可を受けた抗生剤128品目のうち、84%にあたる108品目が輸出向けに許可されており、抗生剤が韓国の医薬品輸出競争力となっていることも分かる。
※抗生剤(原料)は、2008年の原料医薬品輸出総額(551,992,402$)の17.9%、2009年輸出総額(614,019,780$)の20.9%を占める。

 KFDAは、2010年も引き続き、抗マラリア治療剤、勃起不全治療剤、消化不良治療剤、消炎痛み止めなど、国内で開発された新薬が、製造販売許可のための安全性・有効性審査などの手続き中であることを示唆した。国内製薬産業の活性化と競争力強化のため、医薬品許可審査規制を合理化し、制度的な支援を惜しまないこと、また、今まで販売許可された改良新薬などに関する許可審査事例集を発刊し、製品開発に必要な情報を積極的に提供していくと述べた。

参考URL: 2011.1.19 KFDAニュース
http://www.kfda.go.kr/index.kfda?mid=56&seq=13989