【韓国】哺乳瓶、ビスフェノールAの使用が禁止に

 BPAは内分泌系の障害を引き起こす可能性があると推定されており、各国で溶出規格が導入されている。※溶出規格:0.6 ppm(韓国、EU)、2.5ppm(日本)、別途規定未設定(米国)
カナダやEU等では、乳幼児を対象に予防的安全管理のレベルを強化するためBPA含有乳児用哺乳瓶の製造輸入販売の制限を行なっており、韓国でも2012年からBPAを含有する乳児用ミルクの製造輸入販売を制限する計画である。
※EU:製造禁止(2011年3月1日)、輸入販売禁止(2011年6月1日予定)
カナダ:製造輸入販売禁止(2010年3月11日)
米国:一部の州、市などで製造輸入販売を禁止

 参考までに、BPAを含有する乳児用哺乳瓶の材質には「ポリカーボネート(PC)」と「ポリアリーレンエーテルスルホン(PASF)」がある。
※BPAを原料として使用していない乳児用哺乳瓶の材質には、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリプロピレン(PP)、ポリシクロヘキサン-1,4 -テレフタル酸ジメチル(PCT)、ガラス、シリコン等がある。

 食品医薬品安全庁(KFDA)が発表したところによると、現在流通しているBPAを原料とする乳児用哺乳瓶の場合、下記の使用時には問題がないという。 PC材質の乳児用哺乳瓶に傷がある場合は、BPA溶出や細菌繁殖の恐れがあるため新しい製品に交換できるようにする。
※2010年にKFDAが実施した韓国の流通PC材質の乳児用哺乳瓶の15件からはBPA溶出が検出されなかった。

 非常に熱い湯を入れて使用しないようにする。
※すべての乳児用哺乳瓶は電子レンジに入れると調理の際に不均一に加熱されるため、乳幼児が火傷をする恐れがある。製品に記載された使用上の注意事項にしたがい洗浄殺菌した後、常温で冷やした後に使用するようにする。

 KFDAは、このような幼児用瓶の製造時にBPAの使用禁止などを含む「器具および容器包装の基準および規格」の改正(案)を2011年3月8日付で行政予告をしたと明らかにした。 今回の改定(案)には、乳幼児用哺乳瓶の製造時にBPAの使用禁止、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の2種材質の1.4ブタンジオールの規格を新設、ポリビニルアルコール(PVA)等の2種材質の酢酸ビニルの規格の新設といった内容を盛り込んでいる。 また、コーヒーメーカー、コーヒーミル等の部品として使用される合成樹脂である「ポリブチレンテレフタレート(PBT)」等の4種の合成樹脂製につきましては、製造時の原料として使用。食品へ履行される可能性がある「1、 4 – ブタンジオール”などの溶出規格を新設する予定。
※1,4 – ブタンジオール:動物実験で、余分な摂取の時に余分な行動などの神経行動毒性の誘発

 KFDAは、今後も幼児用哺乳瓶などの器具及び容器包装の事前の安全管理システムの構築のために危害が懸念される物質の安全基準を継続的に強化することを明らかにした。

 参考URL: 2011.3.9 KFDAニュース
http://www.kfda.go.kr/index.kfda?mid=56&pageNo=1&seq=14380&cmd=v