食品医薬品安全庁(KFDA)は、胚性幹細胞から分化した細胞治療剤の臨床試験を韓国で初めて承認したと発表した。 今回の承認された臨床試験は、株式会社チャバイオエンディオステクのシュタルガルト病(先天性黄斑変性症)治療薬の開発のため、初めて人に投与する段階の第1相試験である。
今回の臨床試験は、米国のACT(Advanced Cell Technology)社から供給された人の胚性幹細胞を目の網膜上皮細胞に分化させた後、患者に投与し、安全性を評価する。チャ医科大学盆唐チャ病院で、シュタルガルト病の患者、3名が参加。18ヵ月間にわたり試験薬の安全性等が観察される。
※シュタルガルト病 :目の網膜色素上皮細胞が破壊される遺伝的な病気。10~20歳の青少年期に中心の視力が退化し、最終的に失明に至る希少難治性疾患。治療法はまだみつかっていない。
KFDAは、今回の胚性幹細胞由来の細胞治療剤の臨床試験が韓国で初めて承認されたことにより、シュタルガルト病をはじめとする希少難治性疾患に対する新しい治療法の開発のきっかけになることを期待している。また、幹細胞治療剤の市場は、世界的にも急成長している分野であり、国内の製薬会社の積極的な参加も期待される。 先立って国家生命倫理審議委員会は今回の臨床試験に関連し、特定の細胞に幹細胞が分化された場合、体内利用が可能であるという意見を示しており、胚由来の細胞治療薬開発の倫理面での懸念が解消されたとしている。
2011.5.4 KFDAニュース
http://www.kfda.go.kr/index.kfda?mid=56&pageNo=1&seq=14994&cmd=v