所在地 大分県別府市
保護団体 明礬温泉湯の花製造技術保存会
別府明礬温泉の湯の花製造技術は、大分県別府市の明礬温泉で江戸時代より行われている湯の花製造の技術である。この技術は、湯の花小屋という製造施設をつくり、その内部で噴気と青粘土を利用して湯の花の結晶を作り出す技術であり、製品である湯の花は薬として利用されたり、入浴剤として利用されてきた。
明礬温泉は、別府市の西部に位置し、別府市野田お...
入江秀利さん(別府市文化財調査員)のお話
●はじめて明礬をつくった人
別府ではじめて明礬をつくった人は、肥後の国の八代の渡辺五郎右衛門で、浜脇の孫四郎の家に泊まっているうちに、野田村と鶴見村で明礬を作り始めるのです。それが江戸時代前半の寛文四年のことでした。
明礬は、媒染剤といって染物の色を鮮やかに染め出したり、収斂剤として止血や下痢止めの薬になったり、なめし革をつくるときなどに重宝されま...
寛文4年(1664年)、肥後国八代(熊本県八代市)出身の浪人渡辺五郎右衛門が、速見郡鶴見(別府市鶴見)に来て明礬製造を思い立った。彼は立石村(別府市南立石)と鶴見村の小倉(同市小倉)で明礬お製造を試みたが、失敗に終わった。その後、五郎右衛門は長崎の薬種問屋に奉公した。ここで中国人より、明礬の製造の秘伝を聞くことができた。早速、彼は鶴見村に来て再度、明礬製造を照湯で試みたところ、見事成功することが...