【韓国】 最先端「融合・複合医療機器」のトータルインフラ構築事業を推進

 手術ロボットや薬物コーティングステントなど、最先端の融合・複合医療機器の製品化を迅速に支援するための新製品予備認証制度が早ければ2010年10月に導入される見通し。

(※最先端の融合・複合医療機器とは:IT(情報技術)、BT(生命工学)、RT(ロボット技術)などの先端技術が既存の血糖測定器や体温計などの医療機器と融合または複合された製品。U‐ヘルスケア関連の医療機器、手術ロボット、薬物でコーティングされたステントなどが含まれる)

 食品医薬品安全庁(KFDA)は、融合・複合技術の発達における多様なU‐ヘルスケア医療機器開発が加速することに備え、最先端の融合・複合医療機器製品群の特性に相応しいトータルインフラ構築事業を推進すると発表した。

最先端の融合・複合医療機器のトータルインフラ構築事業の主要内容には以下のものが含まれる:
●「新製品予備認証制」の導入
●「医薬品および医療機器の複合製品処理規定」を準備
●「U‐ヘルスケア医療機器の臨床的な性能確保」のための試験事業の実施
●「医療機器情報技術支援センター」の拡大

 新製品予備認証制とは、最先端技術を用いた融合・複合製品で、国内外において製品の安全性および性能を評価する試験規格がない場合でも、製品の安全性および性能を評価できる関連資料を提出することで資料の適合性を検討し、販売の許可を与える制度。
これにより、最先端の融合・複合医療機器をはじめとする新技術医療機器の市場進出を早めることができる。

KFDAが最先端の融合・複合医療機器の迅速な製品化を推進した事例:
●2004年、L社の携帯電話と血糖測定器が結合した製品(糖尿フォン)を許可
●2006年、S社の携帯電話と体温計が結合した製品を許可 

 上記のほかに、医療機器販売業の手続き簡素化を行ったこともある。その際は、別途の施設基準ではなく、代表者の健康診断書および販売業申込書のみを市場、郡守または区長に提出するだけで可能とした。特に、糖尿携帯電話機は販売業申告対象から除外(2007年7月6日)する等、誰でも販売できるよう制度改善を推進した。

 また、医薬品と医療機器の特性が複合構成された製品は、主機能によってどちらかに一元化して管理するという「医薬品および医療機器複合製品処理規定」を準備。行政の重複規制による業界の負担を減らした。遠隔診療環境での臨床性能を科学的に検証するため、「U‐ヘルスケア医療機器の臨床的な性能確保等のための試験事業」を実施。研究開発の初期段階から臨床試験支援、許認可関連の技術および情報支援、危機管理体系の品質管理サポート等、すべての段階をサポートする「医療機器情報技術支援センター」の機能を拡大する。

 これまでKFDAは、医療機器販売業の基準緩和、「新開発医療機器の許可支援制度」 の運営、U‐ヘルスケア医療機器安全性評価のガイドラインの準備等、継続的に最先端の融合・複合医療機器の技術開発を支援してきた。今後は、医療機器においてもトータルインフラ構築事業を通じて安全を基盤とした最先端の融合・複合医療機器産業の活性化を目指すという。

参考URL: <2010.4.26 KFDA報道資料>
http://www.kfda.go.kr/index.kfda?mid=56&seq=12166