食品医薬品安全庁(KFDA)は、2010年の輸入食品検査を分析を実施。その結果、韓国経済の回復により市場規模は2009年比で22.8%増であった。一方で、輸入食品が不適合処理された数は1,150件(0.39%)と前年比よりやや減少した。これは、通関の段階での検査強化、迅速な情報分析などによるものと分析される。
輸入食品を農・林産物、加工食品、健康機能食品、食品添加物に分類し、金額基準で分析したところ、農・林産物はとうもろこし、大豆,、小麦の順で輸入が多く、加工食品では精製・加工を経た食品原料、果・野菜加工品、ウイスキーなどが多く輸入されていた。健康機能食品の場合、複合栄養素製品、オメガ-3脂肪酸含有油脂製品、 個別認定型の健康機能食品などが主に輸入され、食品添加物では混合製剤、エリトリトール, L-グルタミン酸ナトリウムなどの順で多くなっていた。
輸入食品重量は12,905,000トンで、前年比14.2%増。品目別で見ると、農・林産物(18%)、食品添加物(16%)、器具または容器包装(10%)、加工食品(8%)が増加した一方で、健康機能食品は12%の減少であった。そのうち、輸入量が最も多い農・林産物はとうもろこしで2,232,917トン、次いで小麦が2,182,250トン、大豆が1,254,059トンとなっているが、これら輸入食品は、主に加工食品の主原料で使用されているため、増加が顕著になっていると考えられる。輸出元はとうもろこしについては米国、大豆は中国、小麦は米国と豪州が主となっている。
2010年の輸入食品不適件数と割合(1,150件, 0.39%)は、それぞれ減少している。2010年の不適事由は、食品添加物の使用違反、基準・規格違反、微生物基準違反などが多かった。特に基準規格違反(316件)は、前年(483件)に比べて減少した一方、食品添加物使用違反は 363件で前年(280件) に比べて増加した。その他、穀類などの原料性食品を非衛生的に保存・保管する過程でできるカビ毒素類(アフラトキシン, オクラトキシン)と焦がしたり、炒める過程でできるベンゾピレンなどの有害物質検出により不適合処理となった。
※国際がん研究所(IARC)では、アフラトキシンとベンゾピレンは発ガン物質(Group 1)、オクラトキシンは人体発がん可能物質(Group 2A)に分類されている。
不適合処理された上位20品目(輸入件数備え)は、カレー粉(17.0%)、調味干魚類(5.5%)、天然香辛料(3.2%)、香辛料調剤品および複合栄養素製品(2.6%)など。不適合件数の国家別上位ははスリランカ(4.1%)、パキスタン(3.3%)、インド(2.8%)、アルゼンチン(2.0%)、ベトナム(1.5%)となっている。
KFDAは、今後の主要輸入国家別輸入現況と有害物質が検出された品目を国家別に分析し、輸入段階検査を強化することで主に有害物質の集中検査を実施していく予定だという。
参考URL: 2011.1.25 KFDAニュース
http://www.kfda.go.kr/index.kfda?mid=56&seq=14031