食品医薬品安全庁(KFDA)は、KFDAの安全性・有効性の評価時に承認された効能、効果はないが、許可範囲を超えて医療現場で使用されている医薬品についての体系的評価を本格的に推進すると明らかにした。
許可超過医薬品の場合、医療現場での論文・学会誌・使用経験に基づいて、患者別の病気の特性を勘案して使用したり、小児・妊婦・希少疾患者ら等の倫理的な問題や有病率が極めて低く、専門的・体系的な評価が難しいため、許可範囲以外の使用を許容するため、ほとんどの国で認められている。令として、米国は処方の21%が許可の範囲外で(Arch Intern Med、2006)、日本は300病床の病院の60%が許可を超える医薬品であり、欧州の場合は集中治療71.8%で許可を超えた医薬品を使用(Pediatric Gastrointestinal Disease、2008))していることが分かった。
これに関連し、KFDAは臨床実施の制限要因、患者の特殊性による危険性と治療の有益性を考慮し、許可超過医薬品に対する使用の必要性は認めるが、より体系的かつ科学的に同医薬品が使用できる基盤を作り、今回の結果を改良新薬をはじめとする開発に活用できるよう評価の研究事業を進めるという。
同評価研究事業の骨子は、第1に「使用済みの許可超過医薬品の安全性・有効性の調査研究」を実施。その薬を大幅に適応症別に5つのカテゴリーに分類し、文献評価等によって安全性・有効性に問題がある成分、臨床試験および企業の研究開発可能性について検討を行ない、約1,335件の許可超過使用について2011年から研究事業を開始。2013年まで実施する計画であり、評価結果に応じて、使用中止等の安全性・有効性レベルごとに行政措置をとる。
※5つのカテゴリ:神経系の感覚気管向け、気管系用、代謝性、抗病因生物性、妊婦使用医薬品
第2に、小児に使用される許可超過医薬品については、臨床研究を通じた安全性・有効性を検証する。7つのカテゴリを区別して2年間の直接の臨床研究が実施され、今回の研究は、ソウル大学病院、三星(サムスン)ソウル病院など6つの機関で参加することになる。
KFDAは、今後保険審査評価院に申請される初許可を超える申請品目を含む許可超過使用の承認リクエストが最も多い抗がん剤等についても継続的に評価の範囲を拡大する計画であると明らかにしながら、許可超過医薬品の使用初期段階からの臨床研究等の安全性・妥当性を確保できるように積極的に取り組むという。
2011.5.17 KFDAニュース
http://www.kfda.go.kr/index.kfda?mid=56&pageNo=2&seq=15086&cmd=v