【韓国】KFDA、北朝鮮産の無許可医薬品流通摘発措置

 食品医薬品安全庁(KFDA)は、一部の医療機関で抗がん剤治療などで使用されている’テトロドカイン注射剤’、’チョンファル’など2つの医薬品を収集・検査した結果、人体に深刻な副作用を引き起こす成分が含まれていたり、有効性が十分に立証されていないため、販売中止措置を取ると明らかにした。特に、これらの製品は、北朝鮮産無許可医薬品として調査されており、中国に所在しているインターネットサイトを通じ、国内搬入されたものと把握された。

 これらの製品の検査の結果は、’テトロドカイン注射剤’の場合は、ふぐに含まれた神経毒成分である『tetrodotoxin』がバイアル(注射剤)あたり9.5ugから44.4ugまでに検出された。-tetrodotoxinは呼吸困難、知覚神経や運動神経の麻痺など、人体に致命的な副作用を起こすことがある要素である。また、『チョンファル』では、勃起不全治療剤の成分である『クエン酸シルデナフィル』がカプセル当たり35.6mgが検出された。-クエン酸シルデナフィルは、消化器系疾患、顔面紅潮、胃がんや網膜の血管の破裂、顔の腫れなどの副作用を起こすことがある。

 先にKFDAは、’11年2月北朝鮮産の無許可輸入医薬品である『金堂2号の注射薬(高麗人参抽出注射液)』を輸入販売する業者を起訴中止(指名手配)し、その製品を購入•使用して、肝臓がんなどの患者に投与した医師チョ某氏(男46歳)を薬事法違反の疑いで検察に送致した。また、中国に所在地を置き、無許可医薬品を販売しているインターネット販売業者の『開城の商人』が運営する4つのサイトへのブロック依頼(’10 9.17)を放送通信委員会に要請している。

 KFDAは、安全性と有効性が確保されていない北朝鮮産の無許可医薬品を使用すると、予期しない重大な副作用を起こすことができるため、インターネットなどのオンラインを利用した医薬品の購入をしないように要請する一方、大韓医師協会など関連団体への北朝鮮産無許可医薬品の『使用停止』の協力を要請をした。

KFDAニュース 2011.5.19
http://www.kfda.go.kr/index.kfda?mid=56&pageNo=2&seq=15128&cmd=v